電話が嫌い。受ける方もかける方も嫌い。
昨今。やれホリエモンやらはあちゅう女史。イケハヤ尊師界隈に意識高い系はてなブロガー。謎の情報商材屋さんに至るまで、皆がこぞって電話は悪と決めつける節がある。
「相手の時間を奪う卑劣な行為」「泥棒と一緒」「電話は時間のレイプ」などと言う過激な発言の数々にいちいち怒って反応する電話至上主義の中年たち。ホリエモンが結成した「やたら電話してくるやつは仕事ができない」軍は、ジャンヌダルク(はあちゅう)の御旗を掲げ全軍前進。電話をしてくるやつ(イングランド)を全員殺せとばかりに猪突猛進八面六臂。はあちゅう女史の叫ぶ声がこだまする「フォローミー!!」。Twitter民だもんね。ちなみにこの後ジャンヌダルクは処刑されます。焚き付けて切り捨てる感じ、ホリエモンっぽくない?
どうでもいい。本人たちも多分どうでもいいと思ってる。電話嫌いの革命のファンファーレを鳴らしている側の望むことは、電話してくる奴が減るといいなじゃなくて、バカからの電話が減ればいいなということ。つまり電話が嫌いなのではなく電話をかけてくるバカが嫌いなだけだ。
で、だ。僕も電話が嫌い。憎んですらいる。なぜかと言うと電話によって人生で損をする場面が多々あったからだ。
先日、串鳥に行った。嫁がついに断乳をしたため、いっちょ酒と焼き鳥でもってベロンベロンにやったろうと言う会だ。
日曜の夕方。ワクワクしながら嫁と串鳥にインしたのだが、あいにくの満席。鬼のように混んでいて、店員さんも「待ってたって空かねーからはよ帰れ」的雰囲気を醸している。南無三、こりゃあセブンの焼き鳥で寂しくやりますかと言うことに。
だが家に帰ってからの嫁の凹みようったらない。なんせ彼女は妊娠期間も含めると相当長い期間串鳥で飲んでない。串鳥がマジで大好きな嫁。いつも娘の世話に追われて自分の時間がない嫁。1年と10ヶ月断酒していた嫁。そこにようやく現れた、串鳥で飲むチャンス。それをみすみす逃したのだから落胆具合ときたら。こんなに人って凹むんだってぐらい凹んでた。
二人して未練がましく串鳥のホームページを見ていると、嫁が気づいた。
「そう言えば串鳥ってテイクアウトやってない?」
あー。持ち帰りで焼き鳥とりにくる人見たことあるかも。早速ググってみる。が、店舗によってテイクアウトやってるところとやってないところがあるとのこと。嫁と二人で最寄り店のテイクアウトの口コミがないか食べログレビューで探す。ない。ない。北24条店ならあるんだけど。。。などとやってみるが、ラチがあかない。
「よし、もう電話するわ!」
颯爽と串鳥に電話をかける俺。嫁を喜ばせたい一心である。ちなみにこの時点でメニューも決めてなければ、メニュー表すら開いていない。冒頭の話に戻る。電話をかけてくるバカの爆誕である。
「はい、串鳥です」
忙しいのにかけてくんな感を存分に出した店員が電話口に出てくる。梅木さんかな?
「あ、えっとお。ここってえ、テイクアウトやってますかね?」
「やってますよー。何本ぐらいを何時っすかー?」
「あ、えっと。その….えっとお」
ここで、ようやく「メニュー決めてから電話すんのが普通だろ」と焦るバカ。
「何本っすかー?」
電話越しにフランス軍(梅木さん方面)がイライラしているのが伝わってくる。おそらくこの店員、「電話する人は仕事ができない」と言うタイトルで散々俺をディスった匿名ダイアリーを今夜書くはず。
「じゅ、16本ぐらい」
「何時っすか?」
「えっと。。。。19時半で」
「それではご注文承りますー」
ここで「まだ決めてないんであとでかけ直します」と言えないのがバカなのである。そう言える奴はバカじゃないのでハナから電話しないのである。
「えっとお。ひな皮。。。。4本とお」
「ひな皮4本」
「えーっと次は。。。。つくね、、、2本」
「つくね2本」
「えーっと。。。」
「以上っすかあー?」
「いや、すんません。鳥精肉、、、本」
「聞こえないんでもう一度お願いしていいっすかあー?」
「はい、すんません。。。鳥精2本」
そんなこんなで電話を本当に嫌ってる層(串鳥の店員)に、不用意に電話をかけてしまった僕。注文もその場で決めるもんだからグッチャグチャ。何を頼んだのか、頼んでないのか混乱状態。
結果。
つくねが死ぬほど入ってて泣いた。だから電話嫌いなんだよ。