たばこが俺で、俺がたばこで

死んだ目でタバコを吸う人たち
 タバコが大嫌いである。巻き紙の燃える匂いはけむたくて、服にも不健康な臭気が付着してまるで悪臭の鎧を着ているかの様な心持ちがしてはなはだ不快である。
 何より、タバコを吸った後の自分の吐く息。アンモニア臭というか生ゴミというか。あの臭いのせいで俺は妻にキスする事すらためらう。愛する妻を存分に愛でられない苦しみ。タバコの鎧のせいで近づくのも嫌がられそうで怖い。夫婦関係は冷えきっていく。
 ではなぜ今俺はタバコを吸っているのか。俺がタバコだからだ。
 初めてタバコを吸ったのは中学のときだった。野球部の後輩に指折りの悪いのがいて、「Y平もどう?」と勧めてきたのだ。
 「てめー! その口の聞き方はなんだ!!」と怒鳴りたかった。後輩のくせにあだ名で呼んでくる無礼な態度に腹を立てた。でも相手は後輩とは言え不良。チキンな俺は、「ああ、それじゃあ一本くれるかな?」なんてスラムダンクで言えば木暮のような優しい笑みを浮かべながら一本もらった。
 マルボロだった。「吸いながら火をつけるんだよ」とこれまた先輩に向かってため口。完全になめられている。が、しかしこの一本を吸う事に意味がある。マジメでつまんねー先輩だと思ってたY平が、後輩の悪い誘いにも応じてくれる包容力のあるY平にステップアップ。一生ついて行きます! 的展開にならんとも限らん。なので吸った。
 灰の味がした。「げほっげほっげほ!!」と激しく咳き込む。なんだこれは。嗜好品っていうレベルじゃねーぞ。ひとしきり胸をたたきながらゲホゲホやっていると、後輩がにやけがおで言った。「まだ早かったっすかね?」
 ぶん殴りたかった。あと背が20センチ高くて、筋肉ムキムキだったとしたら。
 二度目の挑戦は大学生の頃だった。その頃僕はコンビニのバイトリーダー(笑)をやっていた。一緒にバイトに入った女子高生と休憩室で雑談をしていたときだ。女はおもむろにクールブーストを取り出すと、プカプカやり始めた。女子高生が馴れた手つきでタバコを吸い始めたのには内心ぎょっとした。場末のスナックで足を組みながらスパーッとやるママのように女は煙を吐き出した。
 思い返してみればその様はタバコを楽しむといったよりは、タバコを吸っている自分を楽しんでいるようだった。かっこつけだ。女子高生は俺に挑発めいた目を向けている。「何? 未成年がタバコ吸ったぐらいで騒ぐの?」と言った風情。こいつはかつてのガチヤンキー後輩とは違う。比較的善良でか弱い女子高生、でもちょっとレールから外れてみたい。いわばニワカである。ふかしタバコでもあった。ちょろい。かのようなものに何も言えないのであればそれは俺の敗北である。
 「一本ちょうだい」
 精神的敗北感を覚えながら、俺はクールブーストに火をつけた。肺まで一気に煙を吸い込む。目の前がやや黄色黒くなる。ヤニクラだ。しかし咳き込まなかった。それにメンソールだからか灰っぽくないのもよかった。俺は上機嫌で女子高生とタバコを吸いながら、「今日のピザまん余るといいねえ。持ち帰るから」だなんて他愛のない話をしていた。
 それから自分で買ってタバコを吸い始めた。本数は1日3本と決まっていた。何かの小説の中で主人公がそう決めていたからだ。いかにもファッション的でいい。友達と喋ってるときに、「あ、おれちょっとタバコ」といって席を立つのも誇らしかった。そう、あの時の俺はまだタバコではなかった。
 社会人になって数年経った。社会人とは不思議なもので、タバコを吸いに席を立っても特に文句は言われなかった。それどころか先輩など「休憩する」とか言って堂々とタバコを吸いに行った。タバコなら休憩してもいいんだと思った。
 そして今。俺は何をするにもタバコが手放せなくなった。メール1本打ったらタバコ、10行コーディングしたらタバコ、電話をとったらタバコ、皿洗いをしたらタバコ、金魚にエサをやったらタバコ、風呂掃除をしたらタバコ、起きたらタバコ、寝る前にタバコ、寝付きがよくないとタバコ、タバコタバコタバコ。
 そうして俺はタバコになった。もはや俺の本体はタバコである。タバコが俺を生かそうとしてくる。もしあなたが俺が吸ってるタバコをとりあげて踏みつぶしたとしたら俺は一時的に死ぬだろう。しかし我が家に戻ればカートンの山。俺が死のうと第二、第三のタバコ(俺)があなたを不快な煙地獄にひきずりこむ。その中心、もやもやとタバコのもやで包まれた中心で。ホームレスみたいなタバコ臭を放ちながら俺は叫ぶ。タバコを口にくわえながら叫んでいる。「俺(タバコ)を殺してくれ!」

意外に手がかかる!?ウサギの1日の世話に密着

こんにちは
 こんにちは、茶太郎です。今回は僕の下僕こと人間が、どのように僕の世話をしているか紹介する。
 ちなみに僕のスペックは下記。
種類:ホーランドロップイヤー
性別:♂
年齢:5ヶ月弱
 ホーランドロップなのに耳が立ち気味なのは仕様だ。
僕の一軒家1
 これが我がマイホーム。
僕の一軒家2
 トイレ、給水器、ペレット入れ、牧草BOX、休息マットの1Rだ。狭くて可哀想とか殺風景だとか一見さんは抜かすが、大きなお世話。僕たちウサギ族は自分の匂いがついた安心できる場所ならどこだってよい。

朝、起きたらトイレを掃除しろ

トイレを変えろ
 朝起きたら何をするか。歯磨き? 顔を洗う? 違う。お前ら(下僕)のことは後回し。まずは僕のトイレ砂を変えろ。夜のうちにボッコボコにウンコしてっから。尿石バリバリついてっから。
 くっせえトイレ砂を捨てたら、トイレをティッシュで拭いて綺麗にしろ。2週間に一回は水洗いをすること。さぼったら足ダンするぞ。2回するぞ。

すみやかに牧草を足せ

牧草はひとつかみ
 トイレを綺麗にしたらお次は牧草を足せ。牧草は1歳未満ならひとつかみでいい。
牧草with乾燥剤
 保存にも気を使え。乾燥剤を入れてしけらないようにしておけ。これサボるとすぐ分かるんだから。しけってんなってすぐ分かるんだから。しけってたらどうするって? 足ダンだよ。

ペレットとエンハンサー、乳酸菌を忘れるな

ペレット
 ペレットは僕の主食だ。だいたい器の6割ぐらいのラインでもりっと盛る事。
エンハンサー
 さらにペレットの上からエンハンサーをかける。エンハンサーは僕にとってのオカズの様なもの。お前らだって朝飯に白飯だけ出てきたらイヤだろう? すき屋行って白飯だけ食べるヤツがいるか? オカズ付きの朝定食食べるでしょ? だからエンハンサー。ね。お願いね。
エンハンサーはティースプーン1ぱい
 ティースプーン1杯ぐらいが目安。ほんと言うともっと欲しいけどほら、僕、健康に気を使ってるから。ピザばっかり食ってるアメリカのデブみたいになりたくないから。
乳酸菌
 最後に乳酸菌だ。
5つぶ
 だいたいこのぐらいでいい。5本ぐらい。僕の完璧なブレックファーストは以上だ。
 全部そろってようやく僕の一日が始まる。ちなみに毎日必ず同じ時刻にこれ、用意しないと僕怒るから。僕で言えば7時。平日だろうと休日だろうと7時だから。関係ないから。君たちの都合とか関係ないから。君たちの親が死のうと7時に食べるから。覚えておいて。

夜、仕事から帰ってきても気を抜くな

 夜、陰気な顔をして君たちが仕事から帰ってくる。まずは料理でも〜って? 違う。君たちがやらなければならないのは朝と同じくトイレ掃除、ペレット、エンハンサー、乳酸菌のコンボだ。後回しにして料理とかやり出したら僕、許さないから。お前らの飯<僕の世話だから。ウサギを飼うってそういうことだから。
給水器
 ついでに水も替えておいて。給水器は水で軽くゆすいで、水気をよく拭き取っておくように。僕、水びったびたの給水器とかヤダから。ウサギは水に弱いから。分かるでしょう? ねえ。

ペットシーツも替えろ

ペットシーツを変えろ
 ケージの下のトレイのペットシーツも替えとくれよ。ウンコいっぱい落ちてるからさ。まあペットシーツじゃなくてウチの場合は新聞紙だけどね。僕、高貴なウサギなんでオシッコとかこぼさないからこれでいいんですわ。まあなかにはこぼしちゃうウサ公もいるみたいだけど、僕、そういうレベルじゃないんで。ペットシーツとか家計にもアレなんで。いいウサギでしょう? 僕。

グルーミングは嫌だけど念入りにやれ

 21時。グルーミングの時間。イヤだけどこれは甘んじて受け入れなきゃならない。僕、毛繕いするときに毛飲み込むんで。ウサギって吐けないから胃腸で毛が詰まって毛球症ってのになるらしい。
膝だっこ
 だからしゃーなしで膝だっこ。まずは頭の頂点から体の毛並みに沿って。
仰向けだっこ
 仰向けだっこもさせてやる。腹や胸の毛もとらないといけないからね。
 しかし屈辱。この体勢完璧に服従のポーズじゃないですか。野生だったら100%捕食される体勢じゃないですか。でも、させてやる。毛球症で死ぬのはイヤだ。しのごの言ってる場合じゃない。ここは我慢する。このグルーミングが長命の秘訣。敗北ではない戦略的撤退だ。念入りにやるがいい。
これだけとれました
 撮れ高良し。しかしこれが僕の胃袋にはいるところだったと思うとぞっとする。

へやんぽは安全な場所にしろ

へやんぽ開始
 グルーミングが終わったらへやんぽ。スペースをサークルで囲って準備しろ。コードとか、布とか、僕がかじりそうなものは全部とっぱらうのを忘れるな。かじるなって言われても無理な話。かじるのは僕の趣味みたいなもんだ。お前らがこうるさい音楽とかいうのを聴いて心を落ち着かせるのと等しい。No かじり No Life。

撫でろ。そして愛でろ

愛でろ、そして撫でろ
 へやんぽ中はいちいち構ったりしなくていい。構って欲しかったら自分で行くから。こっちのタイミングなんで。あなたたちのタイミングじゃないんで。

寝る前にアクティブEを食わせろ

 さあ23時だ。寝る時間だ。では歯を磨いて、お休み。ああん? ダン! お前ら一番大事なこと忘れてる。
アクティブE
 アクティブEだ。毛球症予防の薬。これを飲むと、飲み込んだ毛をとかしてくれるらしい。
アクティブEは2粒
 就寝前に2粒。「毛球症は命に関わるから、生後4ヶ月過ぎたら必ずあげなきゃ駄目よ! 絶対よ!」とブリーダーさんが強調してた。ちなみにうちの下僕どもは時々アクティブEを忘れて寝る事がある。けしからん。
 いかがだったろうか。こうして振り返ってみると、うちの下僕どもは時々手を抜くものの、なかなかやってくれてると思う。まあ僕らウサギ属は人間に媚びたりしないんで、いくら世話してくれるっつってもすぐには「大好き!」とはならないですがね。まあでもよくやってくれてるんで時々、
なでさせてやってる
 こうして撫でさせてやるようにしてます。はい。飼い主をしつけるのも大変ですな。まったく。

5月14日 ギバちゃんに復職の書類を書いてもらう

 昨夜は深夜1時に就寝。起きたのが9時。気分はやや悪い。今日は通院の日だからであろう。最近分かってきたが、何かイベントごとがあるとめんどくさくなるらしい。これは病気ではなく性質なのかもしれない。
 10時。重い腰を上げて長野病院へ。この病院、予約とかないのでひたすら待ち時間が長い。ヨッピーさんの記事などを見て時間をつぶす。
 診察は受付してから30分後。おなじみのギバちゃん似の主治医とご対面。相変わらずわきががすごい。でもかっこいい。渋いんだよね。世間話をしながら、会社からもらった復職個人診断書を渡す。主治医の見解を書いてもらう。ギバちゃん、少しめんどくさそう。その場でばばーっと書くと診断書と言う形で渡してきた。これを産業伊に渡して面談したら祝、復職である。祝、なのかね? もうちょい長い春休みを満喫したい気もしている。
 帰ったらセイコーマートのお弁当などを食べつつ落語を聴く。立川談志の「子ほめ」。シャドーイングを試みるがやはりうまくいかない。奴ら僕の2倍くらいのスピードで喋るものだからやはり芸人は凄い。ただ、シャドーイングをやるたびに確実にうまくなっているのでやればやるほど追いついている感じはする。
 落語シナリオを書こうと思ったが疲れが出たのかそのまま6時まで昼寝。今日は気力がわかなかった。こんなんで復職できるだろうか。産業医面談は上司と電話したところ明日ということになった。急だ。仕様変更も急なれば、復職手続きも急なのがウチの会社の性。怖い怖い。

5月13日 ジャッキー万歳

 昨夜は0時に就寝。起きたのが6時半。珍しく早起きできた。歯磨きなんかもしちゃったり。コーヒーも入れた。美味い。
 9時前にはスウェットに着替えジムへ。昨週の野球練習がいまだに響いており背中が痛い。ので今日は少し軽め。下半身を重点に。ランニング30分。フットプレス/エクステンション/カールを3セット。アームカールを限界の重さで3セット。腹筋マシン2セット。バテた。いつもはこれにくわえて上半身のトレーニングをするところだが野球シーズン中は無理である。野球練習して3日経つのにまだ体が痛む。ピッチングなんてやっちゃったもんだから。25過ぎてから体がよく動かん。いや、動くは動くが翌日からのダメージが半端ない。それを考えると山本昌(49)は怪物だ。
 昼はチャーハンを作り、レンタルしてた「香港国際警察」を見る。ジャッキー映画。ジャッキーもこのころは大した年齢になってたはずだけど、まだ走行中のバスの上に乗ってた。怪物がここにも。いや、スタントもさることながらストーリーもけっこうよかった。ジャッキー扮するチャン刑事が抱える闇とそれを解決していく様の演出には思わず唸らされた。
 まあジャッキーはよかったんだけど、これ観てる最中に変な虫に腕を噛まれた。黒いてんとう虫がでっかくなったみたいなやつ。畜生、窓開けてたから。しかし虫も何も僕に嫌がらせをしようとして噛んだのではあるまい。噛むなら噛む理由があったはず。グレゴール・ザムザかもしれぬ。
 叩きつぶしては可哀想と思いティッシュにくるんで窓の外のコンクリートの上に放ってやった。放った先を見ると何もない。飛んで逃げたか、はたまた毒虫は僕の幻覚だったか。ニョキニョキと僕の心からはい出してくる毒虫。とってもとっても消え失せる。すっと忘れた頃に現れる毒虫。怖い怖い。心なしか噛まれた腕がやや腫れてきた。ひどくならねばよいが。腕も痛いが背中も痛い。筋肉痛。毒虫どうでもいい。まずはこの筋肉痛をなんとかせねば。何? それをとる法はないってぇ? どうしてだい? 言ってやろうかいこのベランメーめ。歳のせいだよ。

5月12日 ダツモウプレイ

 昨夜は0時に就寝。したのだが眠りの質が悪かったのか目覚めたのが昼の12時。気分は最悪。外を見ると曇り空。ははあ、この病は天気にも影響されるのだなと一人ごちてノソノソと床から這い降りる。
 起き抜けにカレーをいっぱい喰らいながらレンタルしてきた「超高速参勤交代」を見る。参勤交代をモチイフにしたコメディーだ。佐々木蔵之介に西村雅彦、六角精児が出てるってんでさぞこれは面白いコメディーになってるだろうと思いきやまずまずの出来。なんかテンポ悪かった。超高速のはずなのに。全体的に画面が暗く、誰が何やってんだか分かりゃしない。ラストシーンの気の抜けたところで画面がぱっと明るくなったところを見ると、画面を暗くしていたのはリアリティーを出すための演出だったと分かったが、コメディーならコメディーらしく見やすくしてもらいたかった。
 言うは易し。偉そうに演出やら脚本にいちゃもんつけますが、じゃあおめえ書いてみろと言われるとできやしねえ。これがネット民のネット弁慶たる所以。匿名で叩きたいだけ叩くのはスカッとしますが虚しい。こういうネット弁慶の恥を抑えて感想を一言いうなれば、僕が書けないぐらいの面白さはあったというぐらいか。ご苦労様です。
 悪いの喰らっちまったよなんて沈んだ顔で街に出る。目的はヒゲ脱毛である。はあ、行きたくねえ。生きたくねえと思うほどの行きたくなさ。ははあ、今朝方気分が悪かったのはこれ(脱毛)のせいだなと合点が行く。
 なにがやだってマジで痛い。レーザーでもって皮下の毛根を焼き切るなんて考えたヤツは拷問器具かなんかをやらせたら一流に違いない。バチン! バチン! つむった目の奥でレーザーが光る。麻酔クリームなんて効きゃしねえ。いや逆に。効いてこの痛さだからマジでこれを考えたヤツのサディスト性といったらたまらない。
 ごちゃごちゃ考えながら診察台に寝そべる。施術者はおなじみのかつみさゆりのさゆり似のねーちゃん。可愛い。「んーとぉ、この前しゅごく痛がってましたからぁ、ジュールを少し下げようと思うんでしゅけどぉ。22から24でどれがいいでしゅぅ」って舌っ足らずに喋る姿は幼モノのAVに出れるレベル。可愛いなあなどと思いつつ、一つ今日はこのさゆり似のチャンネーに強いレーザーを当てられてよがるプレイだと思い込む事とする。24、24でお願いします。「わあ、だいじょぶですかぁ? 痛かったら、遠慮せじゅにいってくだしゃいねぇ」と返ってくる。語尾に「キャピ☆」とかついても怒らないレベルの可愛さ。しかもナース姿。いいねえ、コスプレかい? 本寸法だねえ。
 イケる。今日は逝ける。この拷問器具もさゆりがやってくれるのであればそれは性玩具になる。はあ、勃起したらどうしよう。むしろ本当に逝ったら? ワクワクしながら施術が始まった。バチン! 「ひゃあ!」
 結果から言うとジュールをあげすぎて顔の下側が見事に腫れ上がったおっさんが出来上がった。下膨れのヒゲ面のおっさんとナース服のさゆり。なるほど幼モノのAVのパッケージとしては見事なものである。痛む下あごを押さえながらスゴスゴと、男優は退場。施術室には「やりしゅぎちゃったぁ」などと呟きながら困った顔をするさゆりが残る。なるほどなるほど。なにをやりすぎちゃったのかなあ?(スケベ面で) これは上物のM系ロリAVの一場面としては上策。よきかなよきかな。ばかたれ。いてえよ。

ナレーター「プロメンヘラの朝は早い」


 北海道札幌市。閑静な住宅街の一画。ここに一軒のアパートがある。プロメンヘラの仕事場である。
 社畜大国日本。精神疾患により医療機関に罹っている患者数は増加の一途をたどり、平成23年には精神患者の数は320万人にも達している。その中で有数のプロメンヘラとして名を馳せる男がここにいた。我々は、プロメンヘラの一日を追った。
 プロメンヘラの朝は早い。時刻は朝6時。飼っているウサギがガタガタとケージをかじる音が聴こえてくる。寝室からのそのそ出てきたのはプロメンヘラだ。
——朝、早いですね?
「ええ。まあでも目が覚めちゃうんですよね。こんな仕事をしているとね」
 さりげなく不眠を訴える言葉遣いにプロの技が光る。
「それにウサギの世話もしなきゃならないし。最近はこいつだけが友達です」
 そう言っておもむろにウサギのケージを開け、トイレの糞尿などを拭いていると唐突にウサギにかじられるプロメンヘラ。
「ウサギも分かるんですかね? このクズ人間がって」
 笑うプロメンヘラの顔には一切の自虐は浮かんでいない。ズシリとただただ沈んでいる。ここにもプロならではの表情があった。
 冷蔵庫を開けるプロ。取り出したのは卵と牛乳。プロは生卵に醤油と一味をかけるとそのまま一飲みする。牛乳にはプロテインが混ぜ込んである。
「ロッキーで、5つ、いや6つかな。生卵を飲むシーンあるでしょ。あれ、あこがれてましてね。プロテインと牛乳も飲む事で筋肉増進を図ってます」
——体、鍛えてるんですか?
「ええ、やることもないので」
 仕事へ向かう妻を見送り、金魚にエサをあげると、プロはおもむろにリビングに掃除機をかけ始めた。
「綺麗にしとかないと、嫁がやっぱいい気はしてくれないんですよ。プロがいても正常な家庭生活を保たねばならないっていうジレンマがありますから」
 掃除が終わると寝間着のジャージのまま外へ出かける。
——これからお仕事ですか?
「ジムですよ。この生活、体が資本ですからね。何もしないでボケっとしているのは時間がもったいないです。それに」
「世間様に申し訳がなくって。僕なりのエクスキューズです。何かやってるぞって。ただ……」
「プロならエクスキューズ探しなんかしないんだろうなって。プロは存分にダラダラできると思います。ここが」
「プロとアマとの境目なんでしょうね」
 プロの顔が曇る。
 ジムで汗を流し帰ってきたプロメンヘラはすぐさまユニクロ一色の服装に着替え始めた。
——これから仕事ですか?
「いえ、通院です。精神科にあと一ヶ月休養が必要ですっていう診断書を書いてもらうんですよ」
 プロメンヘラが運転する車内。車内には落語が流れていた。
——診断書って言いますが、そんなに簡単に出してもらえるものなんですか?
「ええ、正直言ってザルです。向こうも商売ですしね。簡単なアンケートと口頭答弁だけで診断がくだります。答弁では演技力が必要ですね。いかにも陰鬱な表情を見せるのがコツです。というか最終的に向こうが『どうする?』と聞いてくるものですから」
——どう返すんですか?
「『休みます』と答えるだけでOKです」
 そう笑うプロメンヘラの横顔には、休職で迷惑をかける様々な人に対する申し訳なさ、そういったものはみじんも浮かんでいなかった。ここにもプロならではのメンタルの強さがある。
「最初はね、あー申し訳ないなー。とか思ってたんですがね。ただ、長くなると、ね。それを当然のモノとして受け取らないとこっちも気が保たないんですよ」
——そんな自分をどう思われますか?
「ええ、クズですね(笑)」
 そう言って診察室に消えて行くプロの背中は丸まり、いかにも不健康そうであった。こうしたちょっとした移動にもプロは一時も気を抜かない。気を抜かず不健康のマントをかぶる。
 30分後。
 診断を終えたプロメンヘラが戻ってきた。浮かない顔である。
——診断書はもらえましたか?
「……」
 プロメンヘラはカメラを手で塞ぎ、撮るなとの意志を示してくる。不機嫌な顔。急いで乗り込んだ車内には楽太郎の声が響いている。
「俺、楽太郎きらいなんすよね」
 自宅に戻ってきたプロメンヘラは薬を飲む。テレビにはジャッキーチェンの「酔拳」がながれている。レンタルDVDだ。その間に昨日の晩飯の皿を洗うプロ。目線の先はテレビから離さない。プロらしからぬ平行作業だ。クルー達の間に困惑の空気が漂う。
——病院はどうでしたか?
「……説教、くらいましたよ。あんた、そらいくら休んだって変わらないよって」
 皿洗いを終えた後、またいつもの寝間着のジャージに着替えて再び外へ出るプロ。ここでもプロらしからぬ行動力である。いったいどうしてしまったというのか。
——どこに行くんですか?
「温泉」
 そのままクルーを残して独り温泉へと向かうプロ。我々クルーも別のロケ車で後を追う。プロはそのまま姿を消した。
 我々がようやく探し出した温泉の休憩室にプロはいた。浮かない顔でカレーを食べ、コーヒー牛乳を飲んでいた。
——病院の診断はどうだったんですか?
 プロはようやく重い口を開く。
「それだけ外出したりモノを書いたりできるんであれば正常ですよと……言われちゃいました」
「いわゆる戦力外通告でしたね。あぜんとしましたよ。僕はただ診断書をもらいたかっただけなんです。それがこのざまですよ。それに、この長かった選手生命が終わっちゃうと思うと」
 プロは一瞬だけプロらしい沈んだ顔をのぞかせた。
「くやしくてね」
 現在。鬱病を模して診断書をもらい、働かずに会社から給料をもらういわゆるプロメンヘラが社会には横行している。今回われわれが取材したプロもその一人だが、彼の選手生命は絶たれようとしていた。しかし彼はできうる限りプロを続けると我々に話す。今後も彼のプロ生活は続く。彼は別れしなにこう呟いた。
「次は社内ニートを狙うしか……」
 彼のプロとしての生活は更なるステップへすすもうとしていた。

5月10日 僕が楽太郎を嫌いなワケ

 昨夜は0時に就寝。起きたのが8時。
 もうね。ギブ。昨日の野球のダメージが激しすぎる。筋肉痛がひどすぎて起き上がれなかった。毎日野球するヤツとか怪物過ぎるだろ。覚醒して体は起きたいのに、起きれない。そのまま落語「時そば」を聴きつつウダウダした。
 12時に重い腰をあげる。ビキビキ。だめ。体を捻ると激痛が走り思わず膝から崩れそうになる。30歳でこれなら40だったら死ぬんじゃない? 野球の練習の後日、40代のおっさんが突然死。死因は筋肉痛。ありえるよ。この痛みならありえるよ。
 腹が減った。筋肉痛が痛いと言えど食わなければ本格的に死ぬ。インスタントの塩焼きソバを作りながらまたまた落語タイム。「初天神」を聴く。昔の楽太郎のやってたやつだった。楽太郎いけすかない。なんで僕、こんなに楽太郎のこと嫌ってるんだろうと思って深い昔の記憶を掘り起こしたところ心当たりあった。
 昔、円楽が楽太郎だった時代。僕が高校生の時。楽太郎がうちの高校に落語しにきたことがあった。教養深い我が校の生徒を小粋な落語で更に教養深くせしめんという試み。まあ僕はその時分、世界史で8点とか取ってたけど。教養から一番遠い落伍生徒であったけど(落語だけに)。
 んでまあ、楽太郎と楽太郎のお弟子さんみたいなのが来た。高校の体育館の壇上に高座をもうけ、まずはお弟子さんからひと話ぶったわけですが、これが面白くないのなんのって。盛大に滑ってた。完全に場が凍り付いてた。
 お弟子さんはオチらしきものを言った後、お義理みたいなパラパラとした拍手を背にすごすご退散して行った。完全に場がしらけたまま、いよいよ真打ちの楽太郎が登壇した。さあ落語するのかと思いきや、まずは枕。何の話をするかというと完全に自慢話をしていた。「自分なんかね、元がいいのか、勉強せずに青山学院大学に入ったんですよ」とかなんとか。ああ、なるほど今にして思えば、進学校だった我々生徒に対する楽太郎の精一杯のおどけ。いつも歌丸に皮肉を言うのと同様に我々に皮肉めいた笑いを。
 とはいえ、そこは高校生。自慢話を自慢話としてしか受け取れない。場は完全にしらけた。早くおわんねーかな的な。でもその自慢話が枕でこれからそれに因んだ気の効いた落語が始まるんだろうと、一部の落語好きは思っていたに違いない。だが楽太郎。自慢話をするだけして終わった。まさかの枕だけ。落語しない。落語家呼んだのに落語しないとは何事か。
 つまらねえもの聴いちゃったよなんて沈んだ気持ちで教室に戻る。しばらくすると数学担当の学年主任が来た。学年主任は数学を始める前によっぽど腹が立ったのか、「さっきの楽太郎はひどかったなー」などと、一通り楽太郎に関する悪口を言った後、「一番言いたいのはさ、落語をしろって話なんだよ!」と叫んだ。俺は心の中で頷き、その日から楽太郎を目の敵にし始めたわけである。

5月9日 今シーズン初野球

 昨夜は志ん朝の『そば清』を聴きながら寝た。落語、おもしれえ。最近は練習のため落語を聴きながらセリフを繰り返すようなことをやっているんだが、聴くとやるとでは大違い。噺家はすごい。滑舌、表情、話の間、全てレベルが段違い。特に滑舌がやばい。あんなに速く喋れない。これは訓練次第でどうとでもなるはず。あめんぼあかいなあいうえおを繰り返す。あめんぼあかいなあいうえお、かきのきくりのきかきくけこ。
 朝は気分よし。野球の初練習に向かう。今日は寒いとの予報が出ていたが日和がよく体感的には暖かかった。絶好の野球日和。
 初野球。野球のために昨年の冬から必死に筋トレしてきた。その効果は出たか、否か。
 メニューは内野ノック、外野ノック、フリー、ロングティー。仕上がりとしては打撃は20%、守備は50%、ピッチング50%と言った感じか。まあ始まったばかりで仕上がりもクソもないが。
 そういえばピッチングが例年より良くなってた。球速は今時期なので出てないが、スライダーのコントロールとキレが上がってた。外角低めにバカンバカン決まった。たぶん一球も投げ損なってない。ふむ。これは筋トレの成果か。背筋トレーニングと、フットプレスあたりが僕のスライダーを良くした感。今年ピッチャー俺、あるで。
 野球から帰った後は死んでいた。体中、特に背中が痛い。ラーメンとおにぎりを食った後ずっと昼寝した。名探偵コナンの夢を観ていた。起きたら頭上のテレビで本当にコナンのアニメがやっていた。どこからが夢でどこからが現実なのか。小五郎のおっちゃんもこんな気分?

5月8日 ブロック崩しを遊べるレベルにする

 昨夜は0時に眠るも、睡眠薬を飲まなかったため眠りの質が悪かった。そのため朝起きると気分は激悪で、昼まで寝る。まあいいでしょう。
 落語シナリオを書こうかと思ったが、どうにもつくりかけのブロック崩しが気になるので遊べるレベルにする。下記のリンクから遊べるようにしておいた。
ブロック崩し
 【改良点】
  ・BGMとボールの接触音追加
  ・ボールがロストしたときに、再びボールが出てプレイ続行
  ・ブロックに色をつけた
  ・全てのブロックを破壊した後、再びブロック復活。プレイ続行できるようにした
 んで、またしてもプチ実況。下記で30秒の実況動画をあげておいた。


 遊べるレベルにはなった。スコアとか残機数とかも実装しようとしたけど、あまりにもブロック崩しそのものがつまらないのでやる気が折れた。次はニンテンドー64のゴールデンアイテイストのゲーム作ってみよう。たぶんそれなら面白いはず。

5月7日 色々できるという喜び

 昨夜は三国無双7のセリフ音声集を聴きながらぐっすり。朝は6時半に起床し茶太郎に挨拶。朝キチンと起きれたのは久しぶりである。睡眠としてはいつもの10時間睡眠ではなく6時間睡眠であったが、体調も気分もいい。これは復調の兆し。
 午前中はぐだぐだ落語を聴きながら支度。今日は通院の日。
 長野病院に着く。珍しくGoogle Mapを使わずに行けた。道順も記憶出来ている。ちょっと前は道も覚える事ができてなかった気がする。こういう状態になると、ちょっとしたことをできるってだけで嬉しくなる。できなかったことができるようになっていく。この感じ。子供のような感覚。悪くない。
 前回こっぴどく説教を受けたギバちゃん似の主治医に診察してもらう。前回とはうってかわって和やかなムードで会話はすすむ。5月19日に復職予定のため、復職のための事務手続きの話が大半。
 このギバちゃん。口は悪いが確実にいい人である。辛辣だが親身だ。頼りがいのあるお父さんみたいな感じ。ああ、僕はただ一発がつんと叱って欲しかっただけだったのかもしれないな。「たるんどる! しっかりしろ!」と。ただギバちゃんは少々わきがらしい。ただわきがも少し愛しいと言うか可笑しいというか。とにかく正の感情で診察室が満ちているのは確かだった。臭かったけど。
 帰りしな、ガストで昼食。DAISOも近くにあったので金魚の濾過フィルターとお掃除スポンジを購入する。
 帰宅後は金魚の水槽を洗った。水も9割ほどかえてやる。新しい濾過フィルターもつけてやった。最近金魚が転覆病気味だったため、ひとまず水質を良くする試みである。1時間ぐらいしたら転覆病も治り元気に泳いでいた。睨んだ通り。金魚が体調悪そうだなと思ったら直ぐに水換えをすればよい。それで治らなかったら濾過フィルターを交換する。それだけで大体治る。僕の金魚経験値もあがってきたようだ。先代の金魚5匹の死も無駄にはならずこうして今に生きている。満足。
 いい日和だったため近くの公園まで足を延ばす。公園のベンチに座りながら新作の落語のプロットを考える。そう、落語。色んな事に手を出してきた僕、落語やろうと思います。とはいえ、大学時代に人形劇サークルで落語のまねごとみたいのをやっているのでできると思う。簡易だがプロットはできたので早速明日から脚本化にとりかかる。ちなみに録画してニコ動にうpするつもり。
 色んな事ができるようになってきた。嬉しい。これからも気を抜かずに気を抜く事にする。

茶太郎、孤独じゃないグルメ

こんにちは0507
 こんにちは、茶太郎です。世間はゴールデンウィークで浮き足だっておりますな。主人夫婦もご多分に漏れず休みということで、どこかへ出かけると思いきや、ずっと家で三国無双をやっております。昼間、武将の無骨な声で「敵将討取ったりぃ!」などとやられるものですからオチオチ寝てもおられません。やれフェイスブックやらツイッターなどでは、行楽の様子を楽しげにアップしている一方、この夫婦は薄暗い部屋で天下三分の計を描いている。三国志好きの僕としては天下三分の計はけっこうだがそれでいいのか、あなた達のゴールデンウィークは仮想世界の三国で終わってよいのか? と小一時間夫婦に説教をかましたくなるものです。しかし声帯を持たぬ僕の力では足をダン! と踏みならし主人の不健全を戒める程度しかできません。
 しかしそんな僕の必死の諫言が効いたのでしょうか。今日は夫婦二人して出かけたようです。「野草を」とか「茶太郎が食べれるのは」とかチラホラ何か聴こえてきます。行楽は結構ですが、イヤな予感がしました。そしてその予感が的中したのです。
大量の野草
 帰ってきた主人達がようようと僕に見せたのは大量の野草でした。まさかそれを僕に? 主人達は僕をナチスドイツの人体実験の延長者とでも考えているのでしょうか? 毒草が混じってるやも知れぬ、えも知れぬ細菌が潜んでいるやも知れぬ、なによりも僕達ウサギ族が憎んでやまぬ犬猫の糞尿などが付着している可能性もある。そのようなものを僕に食べろと、そういうわけです。主人達は無慈悲にぐいぐいと僕の顔に謎の野草をおしつけてきます。「おいしいよー、これは体にいいものだよー」などと甘い声をかけてきますが、その主人達の目が僕にはエドゥアルト・ヴィルツの目に見えます。アウシュビッツ強制収容所の悲劇は札幌で再び起こらんとしているのです。総毛立つ想いでした。
ギシギシ
 第一実験は「ギシギシ」と呼ばれる野草でした。なるほどウサギが食べれる野草として有名とのことですが、油断はできません。僕は主人達のモルモットとして震える鼻をヒクヒクさせながらひとかじり、やってみたわけです。
ギシギシ2
 ふむ。悪くない。マズかったらせめてもの抵抗として連続足ダンで一矢報いる覚悟でしたが拍子抜け。むしろ美味い。しかし油断はできません。人体実験もといウサ体実験をする場合、一気に殺してしまう恐れのある劇薬を最初に持ってくる道理はありません。油断せず、死を感じた瞬間逃げる覚悟で次の実験を迎えましょう。
オオバコ
 次は「オオバコ」という野草でした。調べてみたところ我々ウサギ族が大好物ともっぱらの噂らしい。またしても拍子抜けです。これならば生き抜けるやも知れぬと安堵しつつオオバコの匂いをかぎます。
オオバコ2
 危うく口にするところでした。これは食べ物ではない。僕の直感がそう言っています。しかるに主人達は「ほらほらー、ウサギさんの大好物だよー、みんな食べてるよー」などと猫なで声を出していましたがそういうことではありません。ほら、関西人に納豆をすすめるようなものです。源平合戦で言えば僕は平家側というわけです。源義家が納豆を食していると知らば、我々平家ウサギがそれを食べる道理はありません。
笹
 僕が平家没落の歴史を再考し諸行無常の憂いを覚えている最中に次の野草がきました。今度は「笹」らしい。笹って。あのパンダが食べるやつでしょう? それってそこら辺に生えている物なんだ。僕は少し主人達の努力に感心しつつ恐る恐る口に含んでみました。
笹2
 うまい。なんだこれは。こんなに美味い物をパンダは食べていたのか。頭をガツンとやられた気がしました。それとともに、この不審なウサ体実験はもしや、実験などではなく本当に人間の好意によって構成されているのでは? 僕の疑念は氷解を始めたのです。その後の僕は従順でした。
すぎな
 「すぎな」。食べれるが美味しくない。稗や粟を食べている感じ。とでも形容しましょうか。
ふき
 「ふき」。
ふき2
 天ぷらにでもしてあなた達が食べればよろしかろう。
もっとないのかね
 もっとないのかね?
 その後も主人達から種々折々様々な野草を馳走になり、僕はすっかり食によって籠絡されておりました。あれほど怪しかった主人達も今ではなじみの酒場のオヤジのように感ぜられる、あるいは気の効いた旬の物をそっと膳にすえてくれる料亭のような、そんな心地さえしておりました。やはり疑ってばかりでは人生もといウサ生はなりません。信義の心が大事だと言う事を先達、三国志を読み返した際に心に刻んだ事をすっかり忘れたのか茶太郎! 劉玄得が没してもなお蜀を支え続けた孔明のように僕は成る! その感動を、義を、忘れたのか茶太郎よ! と自身を叱り、恥じました。
かぶ
 しかし僕が愚かでした。最後の最後でカブの葉が出てきました。
かぶ2
 カブは食わないって何度言えば分かるんだクソッタレ! うぬらは白痴か! しかもわざわざ干してシナシナになったヤツを出してくるたあ、どういう了見だい! 生は食わぬが、干物なら食うであろうって魂胆かい!? だんなあ! イカ嫌いのやつがスルメイカなら食べれるってーのかい? そいつはどういう道理だい!? ダン! ダン! ダン!
かぶが景観を壊す
 足ダンは虚しく響きますが主人達は一向に解しませんでした。しかもあろうことか、
かぶが景観を壊す2
 こうしてケージの横に見せしめのようにカブを固定し始めたのです。「そのうち腹へったら食べるだろう」とか言ってます。ウサギなめてんのか。景観も最悪。僕がトイレの位置などを自らずらしたりして絶妙に設計した空間がシナシナのカブで汚されます。多分風水も良くない。南東にカブは最悪の風水ですよ多分。これで病気になったら全部主人達のせいですよ。一刻も早くこれを撤去しなさい。僕は天安門事件の青年のようにただカブの葉の前に仁王立ちし、足をダン! ダン! ダン! と踏みならすのです。ダン! ダン! カブの葉反対! カブの葉反対! 原発も反対! ダン! ダン! ダン!


以下、茶太郎の手帳に記してあったメモ書き。
オオバコ : ×。食べる物ではない
フキ   : ×。人間が食べるもの
ヨモギ  : ×。餅にして食べる意味も分からない
ペンペン草: ×。ぺんぺん草も生えないって例えられるほどのThe雑草を持ってこられてもねえ
カブの葉干物:×。断固食べないをモットーに
スギナ  : △。何もなかったら食べるレベル
ギシギシ : △。まあまあだがペレットのほうがいいかなあ
シロツメクサ:○。美味。牧草のおかずにして食べたい
笹    : ○。パンダってうまいもの食ってんなあ
タンポポ葉: ○。ウサギ界ではスターダム的な食べ物らしい。その気持ち分かる
タンポポ干物:×。何でなんでも干物にするかね
タンポポ花: ◎。ウサギ界の三大グルメに入る。美味しんぼで究極のメニューとして出して欲しい

茶太郎、性にめざめる

こんにちは150506
 こんにちは、茶太郎です。耳たれウサギであるはずのホーランドロップですが最近耳が立ってきました。主人夫婦など、僕を見ては「お前は本当にホーランドロップなのかい?」だなんて疑惑の念を向けてきますがあいつらは分かってない。僕はまちがいなく高貴な生まれです。父はアメリカのなんとか大会とかいうところで2位を受賞していますし、血統書もあります。耳にはその高貴たるを証明するための血統書IDのタトゥーもこしらえています。耳が立っていることだけをつかまえて「お前はネザーランドドワーフかなにかだね」だなんて揶揄するのは、漢室の流れを汲む劉備玄得をもってただの筵売りなどと揶揄する俗人と等しいようなものです。あいつらは自分の無知ぶりを分かっていません。
やわらかボール
 閑話休題。今日は主人が僕用のおもちゃを買ってきたようです。DAISOで売ってる柔かボールとかいうやつです。
やわらかボール2
 といっても僕は子供ではありませんので(生後4ヶ月といえば人間族の中ではちょうど思春期にあたるようです。しかし僕はもう立派な大人だと確信しており、三国志で例えるならば、劉備が徐州でひとはたあげたくらいの立志ぷり程度はあると思っております)、いささかこのような幼稚なボールでもって僕をたらしこめると思っている主人らの浅はかさには辟易するばかりであります。
なんだなんだ
 とはいえここは好奇心と気力の塊の僕。いちおうは念入りにこの貢ぎ物をあらためたいと思います。ふむふむ。匂いはない、か。
なんだなんだ2
 ううむ。形もなかなか。うん? あれ、なんだか変な気分になってきました。内なる僕の青春のエネルギィとでもいいましょうか。幼稚なボールがどこか扇情的な形をしていることに気づいたのです。
なんだなんだ3
 性に溺れる者はやがて死地に追いやられます。博学な僕がまたしても三国志で例えるならば、曹操は絶世の美女鄒氏に没頭するあまり、その隙を張繡につけこまれ、死を垣間見、なんとか生きながらえるも股肱の臣下であった典韋を失っております。僕はその曹操の振る舞いを吉川英治の三国志で読んだ際、こうはなるまいと自戒をいたしておりました。が、今僕が向き合っているこの感情は、明らかに生臭い性というヤツでありました。おろかなることに僕はこの柔らかボールに鄒氏の面影を見ていたのです。もはや止められませんでした。
マウンティング1
 ああああああああああああああああああああああああああああ! カクカクカクカクカクカク!
マウンティング2
 ぎえええええええええええええええええ! カクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクカク!
賢者モード
 後悔。ことが終わった今、僕は一時の平静を取り戻しておりました。しかし人間の目にはなるほど僕がくつろいでいるように見えますが、実のところ僕は泣いていたのです。僕は曹操よろしく僕の中の典韋を失っておりました。性と言う激情にながされてしまった屈辱、自身の未熟さ。ウサギ族に涙を流す機能はありませんが、僕が人間であれば失った典韋をなげき悲しむ曹操と同じく、大粒の涙を流していた事でありましょう。そんな僕を見て、主人がこう話しかけてきました。
「賢者モードワロス」
 やはりこの主人は下賎でした。匹夫でした。僕は今日のへやんぽは盛大に足ダンをかましてやることをここに宣言します。4回はやります。ええ、やってやりますとも。天に召した典韋にも聴こえるようにダアン! と。

茶太郎、たんぽぽ、カブの葉デビュー

こんにちは
 こんにちは。茶太郎です。4ヶ月です。最近は一日中いるもっさい男の足にマウンティングをするのにハマってます。なんかあの足、欲情するんですよね。僕もやなんですよホントは。でも本能って止められませんよね。
たんぽぽ
 
 今朝は件のもっさい男が謎の葉をつんできました。
たんぽぽってなんぞ
 んでもって、なんかぐいぐい無理矢理押し付けてくるんスよ。謎の葉を。こっちもなんだろうって思うじゃないすか。ニヤニヤニヤニヤ夫婦そろって「タンポポだよー」なんつって。ああ、これは食べて欲しいんだなとピンときました。こういうとき食べてやると狂喜乱舞して喜ぶんで、はあ仕方ねえなっつってもぐもぐやってやったわけですな。
なかなかだな
 そしたら、まあなかなか美味い。いつも食べてるペレットの5倍ぐらいはうまい。まあブロッコリーの乾燥葉には敵わないっすけどね。あいつらにしては中々、オツなことしやがると思いましてね。ひとしきり喜びのジャンプなどを披露したわけです。夫婦そろってキャアキャア言いながら喜んでましたわ。僕もいよいよ演技派になってきたなと満足したわけです。
かぶを乾燥させる
 したらあの夫婦、調子に乗ってさらに謎の葉を用意してくんの。あ、少々調子づかせたなと思いました。奴ら葉っぱならなんでも食べるとふんでやがる。こちとらウサギ族は人間なんかよりよっぽどグルメなんで、半端な仕事したら承知しねえぞっつって。
かぶを干す1
 まあ一応臭いをかいでみました。一応ね。社交辞令的に。夫婦曰く、これはカブの葉らしい。カブねえ。ウサギ界隈では食べるヤツもいるとか聞いたけど、僕わりとグルメなほうなんで。けっこうキビシメに匂いを吟味しました。マレーシア産のやつとかだったら絶対駄目なんで。国産派なんで。
なんだこれ、かぶ?
 うーん。
イラネ
 (゚⊿゚)イラネ。
 なんつーか匂いというかやっぱ水分多すぎ。こんなもん食うたら下痢になるわってなもんで堂々と拒否してやりました。ええ。
かぶの水気をとる1
かぶの水気をとる2
 したらあの夫婦、一生懸命水気を取り出しましてね。タオルでふきふきぎゅうぎゅう押してね。まあいっぱいありましたよ。結構大変なんじゃないかなーなんて。なんかこっちが悪いみたいな空気になってきて、逆に腹が立ってきましてね。
かぶ乾燥中
 おまけにカブを日干しにするってんで、リビングのど真ん中の窓に天日干しし始めたんですよ。信じられます? ますます食べないこっちが悪い的になってきたし、リビングの真ん中はDASH村みたいになってるし景観損なわれましたよ。へやんぽするときにあんな目障りなものあったらやじゃないですか。ますます腹が立ってきました。今日絶対にへやんぽのときに足ダンしてやります。2回ほどやると思います。大人げないと思いますか? 甘い甘い。言わなきゃ分かんないんですよあいつら人間ってやつはね。