金魚にとって水換えは死活問題である。金魚の世界は水槽という閉鎖空間の中にある。金魚はその狭い世界の中でエサを必死に食べ、食べたエサは糞となって水槽を漂う。糞はアンモニアを放ち、アンモニアは金魚をむしばむ。生きるために食べたエサが糞となり金魚を殺しにかかる。皮肉な話。
そこで必要となるのはマメな水換えである。アンモニアの濃度を限りなくゼロに保つために、日々綺麗な水に替えておかなければならない。最近は2日に1回ほど水換えを行うようになった。その効果かあれほどバッタバッタ起こっていた金魚の訃報がぴたっとやんだ。金魚を長く飼うために必要なのは定期的な水換えだったのだ。
では俺はどうか。俺にとって必要なものは? 俺も金魚よろしく毎日精神をアンモニアみたいなもので汚している。仕事の重圧、煩わしい知人関係、日々の通勤、全部糞となって俺の精神水槽に漂うのである。水換えが必要だ。俺にとっての水換えは? 温泉だ。
温泉が好きすぎる。最近の温泉率といったら半端でなく1週間で4回ぐらい行っている。銭湯神のヨッピーさんも週4で通っていると言っていた。それを聞いたとき、「いくらなんでも盛っているでしょうwww」と思ったものだが撤回する。今、俺がまさに週4で温泉に行っちゃってるから。
いやもう温泉良すぎる。仕事が終わって夕飯を食べひと心地。そろそろ行っちゃう? みたいな軽いノリで車に乗り込み、温泉まで。ぶぶぶうん。炭酸泉で体をあっため、サウナの前にヒゲをそる。これは神聖な儀式に臨む前の禊みたいなもの。体を清めたらサウナで汗を流す。サウナに設置されたテレビでもって「○○妻」などの糞面白くないドラマを見ながら体をあっためるのである。存分にあったまったらすかさず水風呂へ。「うっはああああああ気持ちいいいいい」と俺の隣のオヤジが奇声を発している。これが温泉じゃなかったら「何あのオヤジきも」となるところだが気持ちわかる。叫びたくなる。幸せだ。水風呂から出たら再び温泉かサウナにIN。これを延々と繰り返している時の無心感、多幸感たるや。
こうして温泉で俺の精神水槽のアンモニア濃度が薄まるのである。むしろこれをしないと金魚よろしく死ぬ。温泉に行かない俺は、水換えをしない金魚と等しい。生きるためにはまめな水換えもとい温泉が必要なのである。逆に言えば死にたくないから温泉に行くレベルである。今日も行きたい。なんでウチに温泉がないのか。許せない。許せない。許せない。
「温泉と金魚と私」への1件のフィードバック
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先日、ラヂオで聴いた温泉にまつわる入浴方法をここでひとつ。
(※掻い摘んで聴いたので正確性に欠ける)
入浴する時間帯についてである。
5分。5分が限界だそう。
3〜5分が心地よく入れる時間だそうだ。
体力的にもあまり長く浸かると逆に疲れるのだそうだ。
なので、旅館においても温泉に浸かる前に多少の腹ごしらえをして、「温泉に浸かる準備」をしてもらうために、お茶と茶菓子が用意されているそうな。
温泉とは心と体を癒すためのもとであると同時に、戦闘準備をしっかりして挑むいわば戦いのようなものである。
銭湯だけにというナンセンスなギャグやつっこみは控えてもらおう。
グシャグシャっと書き殴ってしまったが、温泉にて癒しを求めるならばそれなりの準備をして臨む。
これこそが快楽への道なのでないかと。
思い出して欲しいい。
ドラクエ然り、数々のRPGでフィールドにて苛烈な戦いをこなし、町へ着き、宿屋へ駆け込んで愛想のない主人から「いらっしゃいませ、一晩10Gになります」と言われた時のことを。
彼らは安堵の表情を浮かべ、服も鎧も着たままベッドへと駆け込む。
こんなもんではHPは回復しても心なんざ癒されないのである。
是非、今後のRPGには湯に浸かる描写と軽く談話しながらの食事シーンを挿入してほしい。(※あります)