痛い。痛いのよ。と言うと「お前自身が（笑）？」だなんて皮肉屋さんが
皮肉りそうだけど、ふーん。使い古されたネタをさも新しげに言うんだねえ。
それで勝った気になっちゃってる？　僕風情の揚げ足をとって、得意になっちゃってる？
例えば、幼稚園児に向かって3の段を得意げに唱えだす。そんな小学2年生がお前で、
幼稚園児は俺だ。そして二人を平行世界から見下してる大学4年生がこの世界の僕です。
ねえ、僕は9の段を言えるよ。君、いえない？　ふうん。クイチがク、
クニじゅうはち、クサンにじゅうしち、クシいたたたたたたたたたた。
目下の問題は胃が痛いっつーことです。でも……うふふふふ……にやり。
笑ってます。ええ、僕笑ってます。なぜか？　もうすぐだから。
もうすぐ胃に穴が開いてドバァ～っと真っ赤な血を吐くからですわい。
吐いたらどうなるかって、野暮なこと聞くのねー。自宅療養、入院。
いずれにしても合法的な長期休暇が僕を待っている。
親の金を食いつぶしてるのは変わりないのに、血を吐いて休むのと、
こっそり学校をサボるのとでは意味が違う。
ジュウジュウ。胃がストレスでやられていく音、これを聞くのがたまんない。
梅雨休みまでどんぐらい？　よし、ちょっと早いけどやっちゃって！
カウントダウン、スタート☆　ジュウ、ジュウ、ジュウ、ドバアー。
やっほほ梅雨休みだー＾＾
さあ、僕の梅雨休みまであと何日？　一月二月はたまた明日？
「ジュウ」じゃ分からんストマック。胃の言語を修めていない僕には
皆目検討がつきませんので、さっそく知人のナースにTELします。プルルルル。ガチャ。
Y平「ストレスで胃に穴が空くことってある？」
ナース「うーん、それは違うよ。胃潰瘍になってへこむってだけ。
胃に穴が空くのは正確に言えば、胃を食いつぶしてく虫がやることであって、
胃酸で溶けるわけじゃない」
Y平「で、でも……よく言うじゃん。ストレスで穴が空くってさ」
ナース「だって穴があいたらやばいよ。pH2の胃酸が体の中でぶちまけられたら、大変でしょ？
内臓がえらいことになるじゃん。」
Y平「そ、そうだね」
ガチャン。なるほどー。虫を飼えばいいわけですな。胃で。ギブミー胃を食べる虫。
「胃を食べる虫」。グーグル先生に聞いたら、そんなもんない言われた。
ないはずあるかー。ナースが言ってんだ。なかったとしたらお前の探し方が悪いんだ。
探せよ。見つかるまで帰さないぞ。
グーグル先生が見つけられなかったので絶望した。ジュウ。にやり。
なるほど、絶望はよい胃穴ファクターである。おお、考えてみたら、
絶望なら毎日してるぞ。これほど胃穴適正のある人間はおらぬわ。
各国の名医が匙を投げるほどの胃穴の才能。やったあ。
……はっ、イカンイカン。希望を持っちゃいけない、絶望しなきゃ。
はあ、死にたい。ジュウ。にやり。
こうなったら虫はないが、絶望と自身の念力でもって穴をあけてみせる。
俺、マインドシーカー5歳のときからやってるし。講師は今は壁のむこうのエスパー清田。
むむー念じろー。「穴をあけるイメージが大切だ。そして念じながらAボタン」
大麻づけの清田の声が僕の脳内でこだまする。そして心のAボタンをポチリ。
ピコリーん。あかない。清田はいつだって嘘つき。絶望したわ。ジュウ。にやり。
想像するとワックワク。でっかい穴開けて夏休みまで休もうぜ☆
楽しい楽しい梅雨休み。夜も寝られぬ動悸の音。バクバク。遠足の前の夜みたい。
きゃはは楽しい～。ジュウ。にやり。バクバク。ハア……ハア。
……あれ？　これはワクワクなのかなあ？　それとも……
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