会社員エンジニアが成功する人たちの起業術を読んで職場内で実践できることはないか考えた

最近、労働に限界を感じており、端的に言えば他人のために働きたくない。

個人的に懇意にさせていただいているクライアント様は別だが、これ以上クライアントを増やしたくない。

というか、赤ちゃんみたいなのを2人抱えた状態で納期も抱えた副業は無理ゲーである。

本業の会社に対するモチベーションも低下気味。所詮良いソフトを作っても、それは会社の資産になる。

本業だろうと、副業だろうと、所詮ぼくは労働力を切り売りしているだけである。

1年後の自分はまったく楽にならない。

楽になる仕組みを作らないと一生楽にはなれない。

ちょっと炎上プロジェクトにぶち込まれたり、ちょっとクライアントの頭が変だっただけで人生の幸福度がものすごく落ちる。

などと、それっぽい理由ではなく、もっと己が気持ちに正直になって言うと、家族と暖炉付きの家でヌクヌクしながらずっとオーバークックとかゼルダをやりたい。

毎日会社ではなくフィットネスジムに行きたい。

毎日金魚とうさぎの世話をして、家族と穏やかに話すだけで無事に1日が流れていく。そんな状態にしたい。

時々雪かきとかゴミ拾いをして地域社会に貢献できればもう人生は十分。

まっっっっっっっっっっっっっっっっったく働きたくない。

労働から脱却しなければならない。早急に。

ということで下記を読んだ。

はじめの一歩を踏み出そう―成功する人たちの起業術

大事だと思った点、この知見をどう生かすか、感想を吐き出していく。

目次

事業をパッケージ化するとうまくいく

フランチャイズにこそ事業をでかくするヒントが詰まっていると本に書いてあった。

マクドナルドはハンバーガーの美味しさではなく、ハンバーガーの売り方そのものに価値がある。

マクドナルドには多数のマニュアルがある。

たとえばポテトはベタつくので保温器に7分以上置かないこと。

たとえばハンバーガーの湿度を保つために、保温トレイで10分以上経過したものは廃棄すること。

たとえば冷凍されたハンバーグを焼くときは決められた時間にひっくり返すこと

たとえばピクルスは食べる人の膝に落ちたらよくないので、決められたところに置くこと。

これらの決まりごとはその昔マクドナルド兄弟が大繁盛のハンバーガーショップを展開していた際にうまくいった試作モデルをどんどんブラッシュアップしたものである。

高校生のアルバイトでもやれるハンバーガーの作り方、掃除の仕方、もう一品買わせるための声かけ、セットメニューの組み方。

これらの仕組みを明文化し、ブラッシュアップすることで、一定の経営能力がある経営者であれば誰でもマクドナルドを経営し、繁盛させることができるのである。

この「誰でもできる」と言うのがポイントだ。

事業を大きくしようと思うならば、何処かのタイミングで誰かにやってもらう必要がある。

誰かに頼んだ時に、いかに許容できる品質を保ちながらスケールをさせることができるか。

職人カタギで経験豊かでそもそも情熱的なアナタがやったほうがもちろん良いものができる。しかし、大学生のインターンや高校生のアルバイト、パートのおばちゃんでもマニュアル片手にそれなりの品質ができるのであれば、生産能力で圧倒できる。

アナタが超絶技巧の職人技を披露しても品質の良い一人分でしかない。いっぽう、仕組み化された組織が、最低限の能力の人を教育し、それなりの品質を大量生産できるのであれば当然後者が勝つ。

マクドナルドはハンバーガーだけで勝負しているのではなく、ハンバーガーを売るための仕組みで勝負している。

仕組みにこそ価値があり、その仕組みを使えば誰でも利益が出せる点に価値がある。

こういうのを事業のパッケージ化と言う。

作業内容が明確で標準化されている

事業をパッケージ化すると、最低限の能力の人だけでどんどん事業を回していける。

そのためには、各人の役割が明確であり、作業内容が明文化、標準化されている必要がある。

例えば、ぼくと妻とでソフトウェアの開発事業を始めたとする。

初めは空いたほうが経理をやり、営業をやり、顧客の愚痴を聞き。残りが開発をやると言った曖昧な線引きでの仕事が可能となる。

当たり前だが創業メンバーであるぼくと妻は最初からやることが明確だし、お互いに熱意があるので役割が曖昧だったり、作業内容が属人化していてもそれなりに乗り切ることができる。

問題は仕事が増えたとき。

メンバーが増えたとき。

なあなあでやっていた我々の会社はだんだんと崩壊していく。

社員のめいめいが帳簿をつけていたせいで、帳簿の金額があわない。

発注したものが2重で届く。(ぼくと長女が同時に発注したらしい)

改修したソフトウェアでデグレが起きる。(え? こんな機能知らないけど!?)

誰に何の責任があるかを明文化せず、各々の裁量で、各々のやり方で、各々の優先順位で仕事を進めていれば、会社は崩壊する。

ではどうするか。

体制図を作ると良いとのこと。

社長兼開発部長はぼく、営業兼経理部長は妻、その下に長女と次女がサポートに入る。

妻が経理をやる。それは紙に書く家計簿みたいなものかもしれないし、MoneyForwardかもしれないし、freeeかもしれない。

しかし、経理部長の妻は頭を抱えている。MoneyForwardで経理ってどうやるの!? と。

そこでぼくは自分の考えるMoneyForwardでの経理のやり方を明文化し、Confluenceの記事にまとめる。

レンタルサーバー代は事業経費であり、通信費で計上。

この人からの入金はなぜかその他の仕分けにされちゃうから、手動で副業収入で計上し直す。

等々。頭にある、拙い帳簿の知識を見える化する。標準化し、誰でもできるようにする。

最初は2週間に一回帳簿をチェックし、改善点を妻と議論する。改善点はConfluenceにまとめ直す。

そして1年が経つ。経理について慣れてきた妻とぼくは、そろそろ経理作業自体を長女に委託しようと考える。

その時に使えるのが明文化され標準化されたConfluenceだ。

Confluenceを見ながらおっかなびっくり作業をこなす長女。はじめは多少の監督が必要だが、1ヶ月もすれば慣れてくる。マクドナルドの高校生バイトみたいに。

長女に経理作業を任せたことで、妻は兼務している営業の方にもっと力を入れられるようになる。無論、作業標準に則った仕事ができているかのチェックは行うが、営業の戦略に頭をフォーカスすることができる。

ぼくは経理作業から脱却できたおかげで、開発に専念できるようになる。

その後ぼくはとあるECサイトのパッケージソフトウェアを完成させると、作業標準をまとめた上で、顧客に導入させる際に必要となるサポートエンジニアの役割を次女に与える。ぼくは稼いだお金でフリーランスエンジニアを雇い。。。

と言った感じ。

会社のあらゆる作業を標準化する

要するに体制を敷き、各々に明文化された役割と作業標準がある場合、どんどん誰でもできる作業が増えていく。事業がスケールしやすくなるわけだ。

いつまでもぼくがMoney Fowardをポチポチやり、片手間で受託のソフトウェア開発をやっていても億万長者には慣れないのは自明だろう。

上層にいる者は、戦術ではなく戦略に力を入れるべきだ。戦略を考え、職人たち(長女と次女)の仕事を創出する必要がある。

と考えたときに、イチ会社員エンジニアがやれることって何だろう?

それは自分の周りで関わっていることの問題点を見つけ、作業標準を作り、解決策を明文化することである。

色々やって見た。

例えばプルリクをあげたあと、テストチームに修正が伝わるフローをConfluenceにまとめた。開発は必ずこれを見ながらデプロイしてねと周知したり。

例えばプルリクのテンプレートを作ることだったり。(このプルリク、問題動作と期待動作も書かずにテスト内容だけ書いてあるけど!? みたいな怒号を減らす)

小さいが細かい作業を明文化することで、明日入ってくるインターンが他の人に聞くコストが減る。既存メンバーが新しい人に伝授する工数が減る。テストチームが修正が直っているかバックログをポーリングする手間が減る。プルリクをレビューする時に「これ何を確認すればいいの?」と聞く手間が減る。またはレビュー観点の間違いを防げる。

秘伝のタレ、一子相伝でやっていたあらゆることをブラッシュアップして標準化し、明文化すればコストの減り方がハンパないことを学んだ。

減ったコストの分、上層部は自分の仕事に専念することができる。

上層部の仕事はテストチームに「〇〇の修正入ってますか!?」と聞かれて答えることでは決してない。

いかに生産性をあげ事業をスケールさせるかの戦略を練ることだ。マネージメントの仕組みを作ることだ。

そのためには作業を明文化し、部全体でそれを無理なく守る仕組み化が必要だ。

そんで、それは手を挙げれば下っ端のエンジニアでもできる(場合もある)。

あらゆる作業を標準化していけば、いつか我々がやっている開発自体をパッケージ化し、他社に委譲することも可能かもしれない。

まとめ

  • 事業をうまくいかせるには、誰がやっても大丈夫という仕組み化が必要
  • 誰がやっても大丈夫=役割が明文化され、作業標準がまとめられている必要がある
  • 起業家や会社の上層部はそれを考えるのが仕事だが、末端のイチエンジニアでもそれに貢献できる

まずは周りにある作業を、一つConfluenceの記事にまとめてみることから始めると良いと思う。(Notionでもいいよ!?)

本日は以上!

読んだ本

はじめの一歩を踏み出そう―成功する人たちの起業術