他責NGというブラック臭のする理念にズブズブだった時期があった

 就職活動していた時に、ワークスアプリケーションズというパッケージソフトを売る会社のインターンに行ったことがある。1ヶ月虎ノ門のビルに詰めて、自分の考えたシステムのデモをDelphiでプログラミングし、顧客役の社員に営業の売り込みをするという研修みたいなやつ。社員が結構エグくて、なんというか成長の塊みたいなギラギラした社員から、「これ、どういうことなの?」などと詰められることも多々あった。おまけに社長の牧野正幸さんがブランディングをものすごく重視する人のせいか、テレビ局まで入れて、この研修の内容をドキュメンタリーとして東京MXで放送するという徹底ぶり。インターン生にカメラが密着し、インタビューをしながら番組を作っていく。加えてこんなに勉強させてもらってる立場なのに日給1万円が出るという、普通の企業ならありえない内容のインターン。2回の評価テストがあって、プレゼンの成績が悪かったやつはクビになり途中で脱落となる。実にテレビ的。僕は最終プレゼンでC評価(B評価で内定)となり最終日まで残ったがあえなく脱落となった。だが、ここで身につけた自信とかハッタリ力のおかげでその後の就活は実にスムーズに進み、今の会社に入ることとなる。(入らなければよかった)
 んで、今はあるか分からないのだが、ワークスの理念に「他責NG」というものがある。インターン中、社員にクソほど言われたのだが、要するに、何か失敗してしまった時。それは誰々のせいだとか、環境のせいだとか、時期が悪かったとか色々言い訳を人は言うが、そういうリスクを全部把握できてなかった自分が悪いのだから、他責というものは存在しない。他責にする奴はクズだと。
 まあクズとまでは言われないが、1日1回、必ずこの他責NG理念で社員から檄が飛ぶ。今となっては本当に怖い会社だと思うし、離職率もハンパないので実際やばい会社なんだと思うけど、この理念には今でも概ね賛成している。
 今の会社に入って、やれ〇〇グループの責だとか、〇〇部長のカリスマがない、〇〇部は何もやらないとかそういう単語がいっぱい飛び交ってくる。文句だけはいっちょまえに言うが、自分では何もやらない自分を幹部社員か何かと間違ってるんじゃないかと思う輩も沢山いる。何となく嫌な雰囲気ですよね。もっとこう、プロジェクトがうまくいってない時に自分は何をすべきかを考えるべきで、誰の責かとかやってる暇はないんですよ。まともに仕事をしている人なら、責責言ってる間に何かするでしょう。何をやるにしても全員が当事者意識を持って、他人の失敗も自分の責任と思うぐらいの配慮を持って仕事をすると、多分どんなプロジェクトでもうまく回る。
 でも正直そういう働き方って全員が全員すべきではないと思っている。死ぬからね。精神的に。愚痴を言わなきゃやってられないと思うのも確か。そして昨今の自分の日記を省みるに盛大に人のせいにしていて、何だか恥ずかしくなったのです。ワークスのインターン後に入社したあの頃は、確かに他責NGを理念に動いていたはずなのに。変わりますよね。でも優先順位の問題だと思う。仕事が人生において何よりも大事と豪語する人はおおいに他責NGで動いて貰えばいいし、そうでもない人は無理にする必要もない気がする。この辺があの頃に比べて柔軟になったのかな? いや、軟弱になった? 正直入社1年目が一番プレゼンうまかったし、よく喋ってた気がする。すり減ってるよ。すり減ってるよ。会社のせいにはしないよ。他責NGだよ。マッチョな精神だよ。